主人公の深咲はバスガイドとして、仕事に一生懸命打ち込んでいました。
数日前に一切の連絡を絶った恋人のことを忘れようと、一生懸命に。
恋人は人気のバンドマンで、学生時代から一緒でした。小さなライブハウスで歌っていたときも、どんどん大きな存在になっても、きっと大丈夫と思っていました。
彼に出た熱愛報道は、深咲の心にとどめを刺します。
もう会わないと決心する深咲ですが、本当は——…。
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重厚な短編映画を見ているようでした。夢中で背中を追いかけている拝読中も、心を撫でてくれる余韻も、愛しくてたまりません。アオイのプロポーズも、オムライスを頬張る姿だって、きっと深咲にはやさしい音色を伴って聴こえているのだろうと思います。心で歌うブラックストロベリーの歌を、想いを、ぜひたくさんの方に“聴いて”頂きたいです。
素敵な作品を本当にありがとうございました!