錦 side

やっぱりか…。

竹本先生と話をした後俺は考え事をしながら…歩いていた。

あ、。

「やべっ!!アイツ忘れてた!」
俺はふっと出雲の事を思い出した。
アイツのことだからもう帰ってると思うけど…一応急ぐか。

俺は帰り道を走った。

ん?見慣れた姿が…。出雲だ!

アイツは何故か保育園の前でうずくまっていた。

「出雲?…どーした?なんかあったのか?」

俺はうずくまっている出雲の肩に手を置いた。

「っ!…いたい」
「…出雲?」

やっぱり、何かが変だ…。俺は出雲の両肩を掴んだ。

「頭が…痛いよ…。

… りゅう…ちゃん」
そう呟いた…出雲は泣いていた…。

りゅうちゃん…?こいつは何を言って…

『「麻耶は俺の事を「りゅうちゃん」って呼ぶんだよ…」』

竹本先生の言葉が頭に浮かんだ…。

出雲…。

ありえない!…そんなことは絶対ない!


・・・でも、少し思っていた…
こいつはねぇちゃんに似てる……。

写真のねぇちゃんにそっくりだってこと…。