「えと、丹羽くん!?」


この状況どうしたら、と考えてみても。
丹羽くんから目をそらせなくて、心拍数が、ただただ上がる。


「隣の席になったとき。
嬉しくて伝えようとしたけど、言葉は思った通りでねーし。
他の女子とかにするように、せめて、にこにこ振る舞おうとしても意地悪なことしか言えねーし。」


…やっぱり最初から丹羽くんは、仲良くしようとしてくれていたんだ。



「俺、自分でもわかってるけど、気になってる子には、素直になれないんだよね。

…だけど、今だけ、素直になるから。
一回だけだから、よく聞け。」



手が、離された瞬間。


丹羽くんに抱きしめられた。