「あのあとさ、戸塚、風邪ひいて学校休んだろ。」 「…あはは、そうなんだよね。 ちょうど折り畳み傘を忘れちゃった日で。」 そんなことがバレてたなんて、恥ずかしくてまた下を向く。 「あいつバカだなって。 …優しいやつだなって。 仲良くなりたいって、思ったよ。」 優しい声に上を向くと。 カシャッと、軽い音と共に、傘が倒れて。 きゅっと丹羽くんが私の手を握った。