「…帰りどうすんの?」 鞄に勉強道具をしまっているところで、丹羽くんがそう声をかけてくれた。 「プリントを職員室に提出したら、ふつうに歩いて帰るよ。」 外は確かに暗いけれども、まだそんなに遅い時間じゃないしね。 「じゃあ、玄関で待ってる。」 丹羽くんはそれだけ言うと、さっさと図書室を出ていってしまった。 予想外の言葉に思わずフリーズ。 …え、送ってくれるの? なにそれもう。 私、単純なんだよ。 そんなこと言われたら、嬉しいに決まってる。