「ーーマジでイラつくんだよオマエ!」
ぐったりするあたしを見てイラついたらしい玲二は殴る蹴るで更にあたしは更にぐったりした。急に喚き出して怒る玲二は人が変わったようで凄く怖かった。
「うぅっ……」
痛み悶えて苦しむのに止めてくれない。いつもなら「ごめんな」「痛かったよな」って優しくするのに。
もう………身体に力が入らない。
息をするだけでも激痛が走る。
「俺だけ見てればよかったのに、どうして逃げ出すんだよ……」
「も、嫌……なの」
「俺も嫌だ。オマエが俺から逃げるくらいなら殺してやる」
なんでそんなバカな事を言い出すの?
確かにあたしは逃げたけど今は此処に居る。
逃げたくたって逃げれない。
そうさせてるのは玲二でしょ?
「……終わりにしよう」
ポケットから折り畳まれたナイフを取り出す玲二に全身が冷たくなった。
「………ねぇ、玲二」
掠れた声で問いかけるように呟く。
怖いし逃げたいけど、もう無理かなって。
「なんだ」
「……泣か、ない?」
「泣くわけねぇだろ」
「……そっか、良かっ…た」
「意味分かんねぇ」
――玲二ごめんね。
そう言ってあげたかった。
何もかも玲二が悪いってわけじゃない。
本当はあたしが悪かったんだよ。
でも、そんな事言えないよね。
だって玲二は躊躇いもなく大きく振りかぶってナイフをあたしに突き刺したんだから……
