「はぁ……」
ポケットに手を突っ込んで壁に寄り掛かる。
指先に触れたモノに希望なんか沸きやしない。
携帯はあるんだ。
でも使えない。
誰とも連絡を取れないようにロックが掛けられてるから。それにパスワードは玲二しか分からないんだからあたしには意味のない携帯。
暗闇の中、あたしは月明かりと携帯の光で過ごした。音一つしない部屋に聞こえるのは自分の溜め息だけ。
叫んだら誰か気付くだろうか。
ドアを蹴破る事は可能だろうか。
そんな無駄なことを考えたのは最初だけだ。希望なんか持っても最後に後悔する。
「バカみたい」
玲二はこのビルを使ったのか分からない訳じゃない。人気もなんもないから監禁するにはもってこいだ。
あたしには有り難迷惑でしかないけど……
ロッカーを一つずつ調べても使えるものは何もないし。
1日に1回の食事も今日は無くなった。こんな事なら逃げなきゃ良かった。
あたしは馬鹿だ。
いつも後悔する行動しか出来ないんだ。
今だってそうじゃん。
