何とか真砂に支えられて大会議室を後にした深成だが、何かふらふらだ。

「おい、もう採血も済んだんだから、しっかりしろ」

 真砂が言うが、手を離すと深成はへろへろと倒れそうになる。
 様子がおかしいことに気付いた真砂が、ぐい、と深成の顔を覗き込んだ。
 真っ青で、額にうっすら汗をかいている。

「貧血か」

 献血や採血の後にはよくあることだ。
 真砂は、きょろ、と辺りを見回した。

「……ちょっとここでは抱き上げてやれないな。歩けるか?」

「う……うん……」

 さすがに真砂も会社の者の目がある場所で、深成を抱き上げるようなことはしない。

「上に救護室がある。そこまで頑張れ」

 深成を支え、真砂は社長室の一つ下の階の救護室に、彼女を連れて行った。

 救護室は小さな一つの部屋に、ベッドが置かれている。
 ドアを閉め、真砂は深成をベッドに寝かせた。

「大丈夫か?」

 備え付けの毛布をかけ、真砂はベッドに腰掛けて、深成の頭に手を置いた。
 ふぅ、と息をつき、深成が真砂を見上げる。

「課長」

 きゅ、と深成が、真砂のシャツを掴む。

「わらわ、頑張ったよ」

「うん? あれでか?」

「痛かったけど、我慢したもん」

「まぁ……俺を突き飛ばしたりはしなかったな」

「ご褒美」

 じ、と深成が真砂を見る。
 ふふ、と小さく笑い、真砂はゆっくりと上体を倒した。

「しょうがないな」

 言いつつ、真砂は深成にキスを落とした。

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 健康診断再び。
 健康診断じゃ甘々にならんぞ、と思ってたけど、何気に甘いですな( ̄▽ ̄)

 献血センターの医師も再び。
 この先生も結構セクハラ発言連発です。
 意味が違うんだけども。

 相変わらず深成の注射嫌いは子供並みで。
 まぁそのお蔭で甘さもアップするわけですよ( ̄▽ ̄)

 それにしても、『ご褒美』はこれだけなのでしょうか?
 それとも帰ってからさらなるご褒美があるのでしょうか?( ̄▽ ̄)

 キスなんだったら、朝の時点で貰ってるじゃん。
 でもまぁ、相変わらずまだ……なんでしょうなぁ。

 さていつになったら出来るでしょうね?
 そろそろ半同棲から正式に引っ越ししてもいい頃だし、いい加減真砂も無理でしょうしね。
 次こそは!


2015/12/09 藤堂 左近