【キャスト】
孤高の殺し屋:真砂 家族をマフィアに殺された女性:千代
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「真砂様ぁ。助けてくださいまし~」

 がば、と真砂に抱きつく千代。
 何故か嬉しそう。
 口を開く前に抱きつかれ、ちらりと真砂はアパートの隣室(千代の家)を見る。

「いきなりマフィアが乗り込んできて、皆こんな。わたくしの一番気に入っていた捨吉まで殺されてしまいました。あ、誤解しないでくださいましね。気に入ってると言っても、弟として、ですわよ」

 己に抱きついたまま、べらべらと喋る千代に辟易しつつ、真砂はべりっと千代を引き剥がす。

「それは災難だったな。さぁ、もう嵐は去ったようだし、とっとと帰れ」

 抑揚のない声で言い、しっしっと手を振る。
 千代は顎の下で両拳を握り、身悶えした。

「そんな、つれないですわぁ。あんなことのあった家に帰れだなんて。真砂様、ここに置いてくださいまし。もちろんそれなりのお礼はしますわよ」

 そう言って、千代はするりと、纏っていた服を脱いだ。
 豊満な身体が露わになる。

「この身体、真砂様のお好きなときに、お好きなようにしていただいて構いませんわ」

 特に表情を変えることもなく、千代の裸体を見つめていた真砂は、しばし考えた。
 どうせ昼間は、仕事に行くことが多い。

「……いいだろう」

 低い真砂の答えに、千代の顔に喜色が浮かぶ。
 ふと真砂が、僅かに首を傾げた。

「捨吉が殺されたのに、殺したマフィアを放っておいて良いのか」

「だって相手はマフィアですよ。捨吉は可哀相でしたけど、下手に手を出したら、わたくしだって危ないじゃないですか。捨吉はきっと、わたくしが幸せになることのほうが嬉しいと思いますわ」

 言いながら、真砂にしなだれかかる。
 哀れ捨吉、姉ちゃんは仇討ちなど頭にないようだ。

 かくして千代は、真砂の家で、いそいそと掃除洗濯に精を出す。
 が、真砂がそれに対して労いの言葉をかけるわけでもない。
 それでも千代にとっては、夜に真砂に抱かれるだけで十分幸せなのだ。

 ある夜、真砂はベッドの中で、千代に言った。

「お前のこの身体を使えば、仕事も楽に出来るかもな」

「まぁ、真砂様のお役に立つなら、何なりと」

 行為の最中でもあまり喋ってくれない真砂の珍しい言葉に、千代は上体を起こして真砂に擦り寄る。
 だが真砂は乱暴に千代を押しのけると、彼女の身体をベッドに投げ出した。
 そして起き上がり、上から冷たい目で見下ろす。

「俺の役に立ちたきゃ、もっと上手くなることだ」

 ばさ、とシャツを羽織る。
 千代は慌てて真砂の背に叫んだ。

「わ、わかりました! 真砂様、教えてくださいまし! わたくし、真砂様の言うことなら、何でも聞きますわ!」

 身体には自信があったが、技術面ではまだまだだったのだろうかと、千代は奮起する。
 だが真砂は冷たい目を向けた。

「阿呆。最中にいちいちそんなこと教えてられるか。てめぇで考えろ」

 面倒臭そうに言う。
 千代は困った顔をした。
 男がどう感じるかなど、女の千代にはわからない。
 でも。

「わかりましたわ! きっと、どんな男でも骨抜きに出来るようになってみせます!」

「……面白い。やってみな」

 にやりと笑い、真砂は寝室を後にした。

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 ……( ̄∀ ̄)なんだこれ。全然違う話じゃん。
 ていうか、もう元映画の欠片もないよね。
 仇討ちに興味がなかったら、元ネタになりようがないんだよな。

 思ったより、随分難しかったです。映画そのものを話にするわけにもいかないし。
 ……そのものになりようもないし( ̄∀ ̄;)

 意外に千代バージョンのほうが、真砂のドSっぷりは出てない。初めはもっと短かったのですがね、それだとほんとに真砂が普通だったので、もうちょっと書いてみた。したら何だか大人の世界に……。
 まぁ真砂も男なので( ̄ー ̄)

 真砂のドSっぷりが発揮されるのは、深成相手のときかもしれませぬな。