【キャスト】
国際ジャンボ機 機長:真砂 新人客室乗務員:深成
先任客室乗務員:千代
・:・☆・:・★・:・☆・:・★・:・☆・:・★・:・☆

 とある空港の旅客機格納庫。

「機長。またイタリアまで行ってしまわれるんですのね。寂しいですわぁ」

 客室乗務員の制服をびしっと着こなした千代が、ジャンボ機の操縦席に座る真砂にしなだれかかっている。

「国際線って、一旦飛び立ったら、なかなか帰ってこないんですもの。わたくしが客室乗務員としてご一緒できれば問題なしですけど、今回は、そうはいきませんもの」

 片膝を真砂の座る椅子にかけ、両腕を彼の首に回す。
 千代のはいているスカートは短い。
 片膝を椅子にかけているお蔭で、スカートはさらに上がり、最早ぎりぎりだ。

「お前、今は新人研修の教官だろ。こんなところで油売ってていいのか」

 操縦席で計器のチェックをしていた真砂は、ようやく千代に視線を移して言った。
 パイロットの制服姿の真砂は、いつ見ても決まっている。
 千代はベテラン客室乗務員として、何度も真砂とフライトを共にしているが、見飽きるということがない。

「だってしばらくお会い出来ないじゃないですか。ああ、早く研修終わって欲しい」

 そう言って、千代は真砂に抱き付く。

「……ったく、堪え性のない奴だな」

 呟きつつ、真砂は片手で千代を抱き寄せ、もう片方の手を彼女の尻に添えた。
 真砂が少し手を下に滑らせば、簡単にぎりぎりまで捲れ上がったスカートの中に潜り込んでしまう。

「うふふ。真砂様ぁ」

 千代が嬉しそうに、真砂に胸を押し付ける。
 口紅が移るため、キスはしない。
 それが千代には少し不満なのだが、お互い制服のまま、コックピットで抱かれるのも、それはそれで燃えるものだ。

 が。

「やめた」

 あっさりと、真砂が身体を離した。

「ええっ!!」

 すっかりその気になっていた千代が、思いっきり不満そうな声を上げる。
 中途半端に刺激されたままで放置とは、多情な千代にはかなりの拷問だ。

「なっ何故ですのっ? 何か気に食わないことでもありましてっ?」

 お芝居のように真砂の足に縋り付くが、真砂は何事もなかったかのように、計器を覗き込みながら、ぼそ、と口を開く。

「脱がすのが面倒だ」

 下はともかく、上はブラウスにブレザー。
 普通の上着でない分、ボタンもややこしい。

 真砂らしいといえば真砂らしい理由に呆然となっていると、不意にとてとてと、軽い足音がタラップを上ってくるのが聞こえた。

「あれれ~? 何ここ。うわぉ、ジャンボ機だぁ~」

 呑気な声が響き、コックピットの入り口に、ぴょこりと小さな影が現れた。

「わ~、すご~い! これがジャンボ機の操縦席なんだぁ~」

「あ、み、深成っ」

 床にへたり込んでいた千代が、慌ててスカートの裾を直す。
 おや、と深成は千代を覗き込み、次いでこちらを振り向いた真砂に目を向けた。

---うわぁ、何か凄い見目良い機長さんだなぁ。怖そうだけど---

 そんな深成の印象を裏付けるように、真砂が眉間に皺を寄せた。

「何だお前は。子供がこんなところに入ってきていいと思っているのか」

「あ、ご、ごめんなさい。……いや、いやいやいや。わ、わらわ、子供じゃないものっ! れっきとした訓練生なんだからっ」