「ヴェーン…卒業したくないよぉ~!」 教室で実紗はずっと泣いていた。 「泣きすぎだよ…。また会えるじゃん?」 「それでもやだぁ~!」 実紗ってば……。 実紗の姿に呆れながら苦笑いしていると、 矢先に春馬が立っていた。 「柚香ちゃん、ちょっといいかな」 「えっ……?」 …春馬くんと話すのは1年前の時以来だ。 前の印象とは変わって少し落ち着いている。