「やだー!お兄ちゃん連れていくー!!!」 薫は唇を噛みしめて 今にも泣きそうな顔をしていた。 「薫、お兄さんは柚香ちゃんの彼氏なのよ。いい加減にしなさい」 おばさんが注意しても、 薫は諦めようともしない。 …でも、薫の気持ちも分かる。 あたしだって、春馬くんに彼女がいて 諦めろなんて言われたら…つらいもん。