島渡り

やがて、青年は眼を開けて、僕を見た。
 
「この島の神は死ぬ。」
 
独り言のように呟く青年の澄んだ瞳の中には、僕の姿が映し出されていた。
 
島民から何度も聞いた言葉。そして、その言葉を島民は恐れていた。
 
この島の太陽は、沈むことがない。

いつでも、山の向こうで輝いていた。

この島は、半分が夜で、半分が昼である。
 
昼でも、島のある地に立つと太陽に隠されることなく小さな光を放つ星々がある。

また、他の地に立てば、眩しいほどの太陽が、照り輝いている。
 
そして、太陽がなくなった時、この島は死ぬという。