久しぶりに、従兄弟の墓へと向かった。

十字架は、随分と放置されたままになっていて、汚れてしまっていた。

僕は近くにあった井戸から水を汲んで、墓石の中で妙に浮いている薄汚れた白い十字架にかけると、丁寧に拭いていった。

汚れは少しずつ落ちていき、やがて元の白さへと戻っていった。

僕は、静かに手を合わせた。