朝一番の電車は空いていた。

一人でシートを占め、深く眠った。

その間に、一年過ごしたあの島を通り過ぎ、村を通り過ぎた。

目が覚めた時は焦燥感にかられたものの、あそこでの思い出を全て覚えていられたということが分かり、少しだけ心が軽くなった。

僕は、神様を見た。

神様は見ることのできるものであった。

僕が望む限り、神様は存在している。

そして、あの美しい少女も、今もまだどこかにいる。