島渡り

「あの島は、神の島だ。

昔から人々は恐れをなし、渡って行くことがなかった。

何人かの人間が、興味本位で渡って行ったが、それからその者たちの姿を見ることはなかった。

そのため、この村で話し合って、人々が島に渡らないように島の入口に縄を張った。」
 
お爺さんは僕の頭から足の先までじっくりと時間をかけて見た後、僕の手を握った。
 
「触れる。
貴方は生きている。

まだ、貴方は人間であるということだ。

だが、覚えておくといい。

いつか人は神の元へと行く。

その時に、貴方はあの島で会った人々のように、神を臨むことになる。」
 
お爺さんはそう言って、また出て行った。僕も、案内員に挨拶をして、そこを去った。