島渡り

島の太陽が傾いたのは、夏が過ぎ、秋の訪れたころだった。

島の人たちは、あの丘へと上り、跪いて太陽をただひたすらに祈った。

そして、その中には彼女もいたのだった。あの時と同じように、思い詰めたような顔をして、ただひたすら祈っていたのだった。

沈みゆく太陽を見ながら、ひたすら。
 
この島の神は死ぬ。
 
神がいなければ人間は生きていけない。
 
僕は、その丘に立っていることが苦しくてならなかった。

皆が信じているものを信じることができずに、苦しい思いでいっぱいだった。僕だけ蚊帳の外のような感覚。それは従兄弟の言ったとおりだったのだ。
 
人間は一つのものを見つめることで結束する。
 
僕が神様を見つめぬ限り、僕はいつまでも余所者でしかないのだ。