モヘの話は、海を泳ぐ魚たちにも聞こえていたようです。 いたるところから、拍手のような音が聞こえてきます。きっと、魚たちはヒレを叩いているのでしょう。 「詩人の猫さん、絵をかく道具を探すのに、どうしてリンゴを追いかけるの?」 エンがたずねると、モヘは得意そうに答えました。 「あれの色が最高なんだ。 きっと、みごとな赤色絵の具を作れるよ」