エンは、しぶしぶ、窓を閉めることにしました。 もしかしたら、夢だったのかもしれません。 ずっと一緒だったモヘ猫も、やんちゃなリンゴも、恥ずかしがり屋の月も……。 あんなに生き生きとしていたものが、本当はどこにもいなかったと思うと、寂しくて涙がにじんできます。 エンはカーテンを握って、空を見ました。涙をこぼさないためです。 うつむいたら、泣き出してしまいそうでした。