リンゴを見つけるのは、簡単なことのように思えました。 リンゴの真っ赤な色は、雲の上では目立つはずだからです。 ところが、エンがどんなに目をこらしても、赤色どころか、何も見つかりません。 耳をぴんと立てているモヘにも、リンゴの転がる音は聞こえないようでした。 そうこうするうちに、雲はちぎれて、いくつもの島になり、あたりの様子をすっかり変えてしまいました。