Γヨウはさ、私のどこが……その、好き、だったの?」
ある日、また二人で遊んでいるときに雫が問う。
今度は海がすぐそばにある公園だった。
「過去形?まあいいや。そうだね、一生懸命でまっすぐな所かな。」
突然の問いにも楊子は動じることなく答えた。
潮風になびく楊子の焦げ茶の髪。
そんな様子を見ながら雫は、棗のことを思い出した。
いや、正確には楊子から聞いた棗の数々の情報、またその時の楊子の挙動を思い出していた。
Γいつから?」
また雫が問う。
その言葉の後ろに、私のこと好きだったの、とは続けなかったが、意図は伝わった。
「雫が棗ちゃんに告白するって言い出した頃くらいかな。」
「えっ。だってあのときは!……え」
そこで雫は知らぬ間に傷つけていたことを悟り、なんとも言えない表情をした。
言葉が紡げずにいる雫を見て、少女はクツクツと笑った。
Γあのときはごめんね。自分が傷ついたからって、相手のことも傷つけようとするなんて、よくないよね。」
「私の方こそ、ごめん……」
すっかり元気をなくしてしまった彼女を見て、柔らかく微笑んだ。
ある日、また二人で遊んでいるときに雫が問う。
今度は海がすぐそばにある公園だった。
「過去形?まあいいや。そうだね、一生懸命でまっすぐな所かな。」
突然の問いにも楊子は動じることなく答えた。
潮風になびく楊子の焦げ茶の髪。
そんな様子を見ながら雫は、棗のことを思い出した。
いや、正確には楊子から聞いた棗の数々の情報、またその時の楊子の挙動を思い出していた。
Γいつから?」
また雫が問う。
その言葉の後ろに、私のこと好きだったの、とは続けなかったが、意図は伝わった。
「雫が棗ちゃんに告白するって言い出した頃くらいかな。」
「えっ。だってあのときは!……え」
そこで雫は知らぬ間に傷つけていたことを悟り、なんとも言えない表情をした。
言葉が紡げずにいる雫を見て、少女はクツクツと笑った。
Γあのときはごめんね。自分が傷ついたからって、相手のことも傷つけようとするなんて、よくないよね。」
「私の方こそ、ごめん……」
すっかり元気をなくしてしまった彼女を見て、柔らかく微笑んだ。