叶多くんは、ヒーローだ。 あたしが倒れたときも、 どんなときでも いつの間にかいて。 助けてくれるんだ……。 「っ……ご、ごめん…こころちゃん…」 女の子たちはその場を去った。 「はぁ。…ったく、いつからこういうことされてたの?」 「んー?分かんない」 「何が『分かんない』だよ…………ごめんな、俺……」 別に、叶多くんは悪くないのに。 「……笑ってよ。 叶多くんは、モテるんだから……仕方ないんだよ? 悲しいときは悲しいって言うよ」 あたしは、弱くないよ。 ちゃんと、強いから。