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学校に着くと、


教室では一ノ瀬と楽しそうに話す


こころがいた。




「…こころ……はよ」


「あっ。叶多くん、おはよー!」




作り笑いなんかじゃなかった。




ちゃんと……俺の好きな笑顔だった。



「こころ、昨日……」

「最初は辛かったけど、前……言ってたのを思い出したの。
莉歩さんには……親がいないんでしょ?
莉歩さんを守るのは、叶多くんしか、いないんだよ。
そんなんで……傷つかないよ」


こころは一瞬暗い表情をしたけど、

すぐに笑顔を見せた。



「傷つけないよ」



「……ごめんな。

ありがとな、こころ……」




こころを好きになって良かったって、




改めて思えた。











ちゃんと、莉歩のことを分かっていてくれている。





こころと莉歩への“大切さ”の意味が違うのを、


ちゃんと分かっていてくれている。