「………よーい」 ―――パァァンっ! 鳴り響く号砲と共に、 体は起き上がり、 足が地面を駆けた。 無我夢中で、足と腕を動かす。 まわりからは、 誰に向けられてるのか分からない、声援。 「吉岡っ!!あと少し!頑張れーっ」 だけど、1人の声は あたしに向けられてるモノだと分かった。 きっと、一生懸命応援してくれてるんだ。 ――あたしは、 地面を蹴る力を強くした……。