さっきみたいに、あたしは息を大きく吸った。 「南くん!頑張ってーっ」 吐き出すのと同時に、 あたしは南くんに向かって 精一杯、大きな声を出した。 すると、南くんが紙を持って あたしたちに近づいてきた。 ……なんで? 今、競技中じゃ…………。 「吉岡ー! 悪ぃ、ピンクのタオル持ってたよな? ……貸して!」 そっか……。 障害物競争の中には、 障害物だけじゃなくて 借り物競争みたいなのもあるんだっけ? それも、一応……… 障害物だから。……らしい。