「ほら、ココ!!『頑張れー』って応援しなよ」 「う、うん。……そーだね!」 あたしは、息を吸って吐いた。 ……そして、もう一回深く息を吸って…… 「みな……「叶多ーー!頑張ってねー!!」 あ……莉歩さん。 あたしたち生徒席とは 反対にある、 客席から大きな莉歩さんの声。 少しこっちを向いてたのに、 南くんは莉歩さんのほうを向いて 手を振っていた。 ――ズキ。 「こ、こころ……」 美咲がいつになく心配そうに あたしの顔を覗き込んだ。