『気になる』っていうのは……、 『好き』じゃなくて いつもの南くんと なんか違かったから、新鮮なだけだよ……。 「気づかないよ。 ……だって『好き』とかじゃないもん!」 「はいはい。 もう、照れなくていいよ? 好きになる、ってすごいことなんだからねっ!? ……ほら、帰るよー」 考え耽っているあたしの手首を、 美咲が掴んで、 あたしを正門まで引っ張ろうとしている。