走っていたら、 いつの間にかこころん家に着いていた。 ―――ピンポーン。 《はい》 「…南です」 《あ。今行くね》 声がいつもと違うように聞こえたから、 最初…親か何かかと思ってた。 ――ガチャ。 扉を開けて出てきたのは、 部屋着姿のこころ。 目が……真っ赤に腫れている。 「叶多くん、上がって?」 「いいの?」 こころはコクンと小さく頷いた。