「叶多くん……バイトじゃ」
俺、嘘なんてつかなければ良かったんかな…?
今さら後悔しても……遅いよな。
「で、デートなら……隠さなくてよかったのに…」
「こころは、なんで拓といるの?」
胸にモヤモヤが募る。
好きだからこそ、募る気持ち。
――――独占欲。
他の男と一緒にいるのを見たら、
そんな気持ちが芽生えるのも、普通のことだ。
「さっきたまたま会って……」
「俺が、吉岡を連れ回してる」
なんか、イライラしちまう……。
「だったら、お前も俺と一緒じゃん」
「――!?」
俺は、莉歩の手を引いて
反対方向へと歩きだした。


