「叶多は、バカだね」 ソファに座って頭を抱えていると、 いつの間に隣に座っていたのか 莉歩がいた。 「朝からずっとそんなんで。 そんなに……こころちゃんが好き?」 「……だから、こんなふうになってんだろ」 顔をあげると、 口調とは裏腹に莉歩は 悲しそうな顔をしていた。 「あたし、叶多の笑顔が好きだよ。 だから……あたしじゃ、ダメ?」 「ごめん……莉歩」 俺には、こころじゃなきゃダメなんだ……。