+++叶多side+++ 「叶多くん、三百円……莉歩さんに渡してくれないかな?」 ――…昼休み。 思い耽たような顔で、お金を手に握るこころ。 「え?……莉歩と、会ったの?」 こころはコクンと頷く。 莉歩……また余計なことを、 こころに言ったんだろうか。 この前のことといい、 莉歩が……変だ。 俺は、莉歩を家族同然にしか思ってない。 だけど……莉歩は違うらしいんだ。