「ちょっとどこが満開よ! 一分咲きもいいとこじゃない。」
桜は満開どころか、ほんとうにぽつりぽつりと
ちいさなはなが開いてる程度で、
まだまだ冬のにおいがぷんぷんした。
「いーじゃんいーじゃん、3人で集まることに意味があんの。」
「ほんとに信じられない」
3人で集まるときはだいたいこんな感じだ。
千樫が計画して、
そしてだいたいその計画がイメージとはちがって実現する。
「まあいいんじゃない、伊澄。怒っても無駄だよ。ピクニックだと思おう。」
ああ、やっぱり譲をつれてきてよかった。
これも毎回思うこと。
結局わたしたちは花見でもなんでもなく、
一分咲きの桜の木の下で芝生にすわって過ごした。

