『それだけじゃないよ。お兄様は――――・・・』
『それ以上言うな、君太。それを言ったって、朝美は何も変わらない。
朝美は何も知らないんだからな』
『ちょっ、ちょっと待ってよ!確かにあたしは何も知らないわ。
でも、あたしだって東堂の人間だし、朝太の姉よ?
それもただの姉じゃないわ。双子の姉よ?』
『あのな朝美。いくら双子だからって何でも言う必要はねぇだろ?
俺にだって、言いたくないことはあるよ。
何でも言えるなら、お兄様やお姉様に言われたとき言っているよ』
『え?じゃあどうして君太が知っているの?』
『俺はたまたまお兄様が晴太お兄様と陽奈子お姉様に言われている時に
居合わせたんだ。だから、聞いちゃったの。
ついでにあの人の言ったこともね』
『言うなって何回言えば良いんだ、君太』
『あ、ごめんなさい、お兄様。気を付けるからね』
『待ってよ朝太、君太。お母様は朝太に何て言ったの!?』
『言う義務はねぇよ。・・・行くぞ、君太』
『はーい!ごめんねお姉様。俺はお兄様しか信じないから!』
あの時、君太は迷いのない笑顔を朝美に見せていたっけ?
あいつ、本当に腹黒いからな。
『どういうことよ。お兄様は?お姉様は?お父様は?お母様は?』


