「はぁっ…ちょ、待ってっ」 「間に合わないから!はやく!」 間に合わない? 何に? 翠は校舎内の階段をあいかわらずのスピードで上っていく。 だんだん翠の背中が離れていく。 もう希衣の脚は疲れていて、なかなか上がらなかった。 「こ、これって…」 向かう先は屋上…? いちばん上までついたとき、いつも鍵がかかっていて開いていない屋上のドアが開いていた。