外は少しだけ薄暗かった。

「こんな薄暗い中、女の子を一人にさせる訳にはいか
ないでしょ?
家どこ?送るから・・・」

「えっとー・・・」

あたしは平田くんに家の場所を教えると・・・

「・・・結構近い。俺の家と」

「ほんと?」

「うん」

あたしたちは校門を抜け、横に並んで歩き出す。
隣は蓮じゃないから違和感がある。

「平田くん・・・」

「あのさ・・・」

あたしが名前を呼ぶのを横切るかのように、
口を開く平田くん。

「平田じゃなくて、亮って呼んで?」

「えっ?・・・」

「お願いだから・・・亮ってよんで?」

あたしには意味が不明だった。
とりあえず亮って呼んでみることに・・・

「わかったよ、亮くん」

あっまた、顔赤くなった。

「亮くん?大丈夫?熱あるんじゃない?やっぱ・・・」

亮くんは両手で顔を覆う。
まるで、顔が赤くなったのを隠すかのように・・・

「大丈夫?」

「大丈夫だから、心配しないで・・・」

「う、うん」