16時半を回った頃、しいちゃんがハッとしたように声を上げた。 「今日の夕食、手伝おうと思ってて!だからもう帰るね!」 「今日はありがとう!」と言いながら、慌ただしく出ていった。 すごいな、しいちゃん……。 最近、女子力がめきめき上がってるような。 「あたしの分、か……」 ひとりになった空間で、さっきのことを思い出す。 『そしたら、陽菜の分が……』 しいちゃんはそう言ってたけど。 あたしがケーキをあげたい人なんて、今はいない。