「……夏希!」 あたしたちのクラス、B組の教室の前に夏希がいた。 もうSHRは終わったみたい。 夏希はあたしの声に、ゆっくりと体の向きを変える。 「……遅かったな、陽菜。森谷にさっきの渡せたのか?」 夏希の手には生物の教科書。 同じクラスの子たちも、ロッカーから荷物を取り出している。 ……なに? 夏希の視線はあたしを見ていなくて、違和感を感じる。 「……変じゃない?夏希」 あたしはそう言いながら、夏希の顔を覗き込む。