「いきなりこんなこと聞いてすいません。……先輩、彼女いるんですか?」 森谷先輩に彼女がいるかなんて、考えたこともなかった。 カッコよくて、優しくて、憧れで……。 そんな、王子様みたいな人。 あたしは、ちゃんと現実を見てなかったのかな。 「……いるよ」 先輩は驚いたように目を見張ったけど、その直後、すごく優しい顔でうなづいた。 そっか……。 これだったんだ。 森谷先輩との間に感じてた“壁”の正体は。 そのとき、タイミングがいいのか悪いのか……チャイムが鳴った。