パンッと両頬を軽くたたいて、数メートル先を歩く夏希を見る。 いつの間にこんなに離れてたんだろう。 なんて思いながら、夏希に話しかける女の子たちに遠慮して、そっと近づく。 「夏希くん、甘いもの好き?」 「もうすぐバレンタインデーでしょ?」 バレンタインデー! その言葉に、あたしは反応してしまう。 そっか、だからみんなそわそわしてるように見えたんだ……! 「へぇ、俺にくれるの?」 ふと、つまらなそうだった夏希が、楽しげな口調でそう言った。