「夏希、どうかした?無理しなくていいよ。こげたちゃったから、どうせおいしくない……」 自分で言って悲しくなる。 たぶん、オーブンの温度を間違えちゃったんだ。 時間はちゃんと合わせたから。 「おいしくないとか知らねーよ。いいから、早く切りわけろよ」 「え、絶対おいしくな……」 「いいから」 そう押し切られると、切りわけるしかない。 あたしは仕方なく、ブラウニーに包丁を差し込む。 黒くなったブラウニーがまな板の上に倒れ、夏希はそれを口に放り込んだ。