不思議に思って顔を上げると、夏希は部屋の奥へと進んでしまう。 おかげで夏希の表情がわからない。 夏希を追うように、あたしも体の向きを変える。 すると、夏希はベットにボフッと勢いよく座った。 「あー……すっげぇムカつくんだけど、森谷のやつ」 「……へ?森谷先輩?」 なんで先輩の名前が出てくるの? 夏希はなにも知らないはずなのに……。 疑問を抱きながら夏希を見つめるけど、うつむいているせいで彼の表情はいまだにわからない。 「泣いたんだろ?あいつを想って」