今さら隠したって遅いかもしれないけど、このみっともない姿なんて見られたくないもん。 王子様みたいな先輩に恋をして、その恋は妄想に近くて。 そのくせ、先輩に彼女がいることを知ったら、自分でも驚くくらい涙がでてきて。 その失恋をまだ引きずって、ふたりが一緒にいるところを見て泣くなんて……。 「……ムカつく」 ドアの近くに立ってうつむいたままでいると、目の前にいる夏希がボソッとつぶやいた。 ……む、ムカつく? いきなりどうしたんだろう……。