もう想うのを辞めるから。 だからあたしを振ってーーー……。 そう言う前に、温もりがあたしを包む。 大好きな香りが鼻をくすぐった。 え……。 ーーあたし、青久に抱きしめられてる? 「あお、く……?」 「ごめんな、はる」 「どうして青久が謝るの」 青久の声が震えている。 泣いてる? 泣きたいのは、あたしのほうなのに。 「全部、俺が悪いんだ」 「え?」 「はるは悪くない」