「なんで、笑うんだよ」 「そんなわかりきったことを言うからだよ」 「わかりきったこと?」 「はるちゃんだろう」 そう言われて、俺は確信した。 ああ、ずっとわかってたんだ、父さんは。 「……いつから、わかってた?」 「いつって……そうだな。お前が音さんと同じ高校を受験すると決めたときからかな」 「え……」 そんな前から?嘘だろ。 気づかれまいとしてたのに。 懸命だったのに、気づかれてたのか。