青久side 「父さん、話があるんだ」 いつもは来ることのない、父さんの病院に赴いた俺は、休憩室にいた父さんのもとを訪れた。 「……珍しいな。どうした青久」 少しだけ驚いた様子の父さんも、なんだか嬉しそうだった。 そういえば最近、家に帰ってないなあ。 音の家にいたからな、ずっと。 「俺が音のもとを離れるって言ったら……どうする?」 前置きもなにもなくそう切り出すと、怒るわけでもなく、父さんは笑った。 え…………。