「ありがとう、棚部くん」 なんだか勇気をもらえた気がした。 「俺は何にもしてないよ。何かあったら、相談くらいなら乗れるから。クラスメイトだし」 「うん……」 ほんの少しだけかもしれないけど、一歩を踏み出せる気がした。 このままじゃいけない気がする。 こんなんじゃあたしは納得できてない。 今までのあたしはどこにいったんだ。 こんなのあたしらしくない。 納得できるところまで、突き進むしかない。 たとえ青久に、迷惑がられたとしても。 何も変わらないとしても。