毎年夏祭りは、物心ついたときからずっと青久と一緒に来ていた。 大好きな人と一緒にいられる 大切なイベントだったのに。 青久がいなくなってから、行くのがつらくて行かなくなっていたのだけど。 今回、真里が誘ってくれたから。 それから、忘れたかったからーー青久のこと。 大好きな夏祭りに、また参加することを決めたんだ。 「準備できたの?待ち合わせしてるんでしょう」 「うん、もう行ける!」 青久はきっと来ない。