「逢沢さん」 校舎に入ってから名前を呼ばれて振り向くと、髪の長い、綺麗な女の子ふたりがあたしを見ていた。 いや、見ていたっていうより睨んでいたっていうほうが正しいかも。 「な、なんですか?」 すごい睨まれてる。 だからかな、思わず敬語でしゃべるあたし。 「ねえ、これどういうこと?」 ズイッと顔の前に出された紙を見て、あたしは目を見開いた。 ーーーえ? 《浮気発覚!お相手は2-Cの黒田薫》 そう書かれていて、横にはご丁寧に写真が貼られていた。