「ルカ!梓が危ないよ!!」


人間界にいる庵可くんが、何かに勘付いて近くにいる梓に危害を加えるかもかもしれない。


「メイド数名と執事数名、今すぐに人間界に向かえ!非常事態だ!人間界で魔力を使うことを許可する。一刻も早く庵可を見つけ出せ‼」


フランさんは右手をビシッと伸ばし、素早く指示を出す。


指示を出されたメイドさん達は、慌ただしく走り出し準備が出来次第人間界へと走り出た。


「私達は一旦図書室に向かおう。今なら何かわかるかもしれない」


フランさんの提案に、あたし達はすぐに図書室に向かう。


廊下を歩く間中、ずっとルカがあたしの体を支え「大丈夫か?」と気にかけてくれる。


図書室に着くと、すぐに例の場所へと向かい、何か異変がないか細かく調べる。


だけど、特別変わった様子はない。


「本当に、この本とサラさんの学校の図書室が繋がっているのか……?」


あたしがヘンリー宛ての紙を見つけた本を開いて、フランさんが静かに言う。