「来い。席に戻るぞ」 ルカは部屋を出ながら、開けた第一ボタンをしっかり止め直していた。 あたしは威嚇の体勢から普通に戻って、ルカの背中を眺める。 はぁ……。 油断ならない。 彼氏に対してこんなに威嚇するなんてあり得ないかもしれないけど、相手は悪魔だ。 本当に食べられてしまいそう。 でも……。 なんであたしにヘンリーの匂いが付いているんだろう。 このドレス、ヘンリーが用意したのかな……?